1.『5つの行い』
①手洗い
最も大切なのが、手洗いです。外から帰宅したとき、学校や仕事先に到着したとき、食事の前、調理の前後、トイレの後など、必ず石鹸で手洗いをします。マスクなしで咳やくしゃみをした後、鼻水をかんだ後、マスクを触った後なども、手洗いを励行しましょう。
流水だけでも、ある程度の効果はありますが、石鹸で手を洗うことをお勧めします。なぜなら、石鹸には界面活性剤が入っていて、ウイルスは界面活性剤が苦手だからです。これを機会に、常に石鹸で手を洗う習慣を身につけましょう。アルコール消毒液も有効です。
②マスク
新型コロナウイルスは、感染しても自覚症状がないケースがあり、気づかぬうちに感染の媒介者となる可能性があります。このため、たとえ症状がなくても、誰もが必ずマスクを着けて感染拡大を防ぐという意識と行動が必要です。現在、そういう意味でのエチケットマスクが必須となっている状況にあり、いわゆる咳エチケットとは異なる次の段階に入ったと言えます。
もちろん、自らを感染から守るという側面でも、マスクを着けることによって、ウイルスの付着している手が口に触れにくくなる、鼻孔や口周辺が加湿されるなどの意味があります。
ただし、高温・多湿の夏の屋外では、熱中症のリスクがあるため、人と十分な距離(2メートル以上)をあけられるときは、マスクを外すようにしましょう。
③換気
3つめは、換気です。新型コロナウイルス対策には、換気が効果的です。ご自宅でも、夜休むときは別として、1時間に1回程度、換気をしてください(そのとき、身体が冷えないようにご留意ください)。人が集まる場でも、1時間に1回程度、換気をして空気を入れ換えるようにしましょう。
また、環境消毒も大切です。感染を防ぐために、人がよく触れる場所(ドアノブ、テーブル、手すり、照明のスイッチ、リモコン、トイレのレバーや便座など)を1日1〜2回、薄めた漂白剤またはアルコールを含んだティッシュで拭くようにしましょう。
特に、共用の洋式トイレは要注意と言われています。使用する際には、必ず前後に、レバーと便座を拭くようにしましょう。
④検温
重症化の「兆し」を早期に発見するために、「自分は大丈夫」と思っても、1日1回は体温を測定しましょう。
そして、息苦しさや強いだるさ、高熱などの強い症状のいずれかがある場合、あるいは発熱や咳などの比較的軽い風邪の症状が続く場合(4日以上続く場合は必ず)、各地域の保健所に設置されている「帰国者・接触者電話相談センター」(新型コロナウイルスに感染した疑いのある方のための相談窓口)に相談してください。
高齢者の方や糖尿病、がん、肺疾患、心疾患などのご病気のある方は、発熱や咳などの比較的軽い風邪の症状がある場合、連絡をしてください(厚生労働省「新型コロナウイルス感染症についての相談・受診の目安」より)。
⑤喉を潤す
5つめは、喉を潤すことです。空気が乾燥すると、喉の粘膜の防御機能が低下しますので、乾燥しやすい室内では加湿器などを使って、適切な湿度(50〜60%)を保つことが大切です。
インフルエンザウイルスの場合、湿度40%未満ではウイルスの半数以上が生き残るのに対して、湿度50%では生存率が大幅に減ります。加湿器がない場合は、部屋に濡れたバスタオルをかけるだけでも湿度を上げるのに有効です。
喉を乾燥させないために、うがいやマスクの着用、水分をこまめに摂ることも、ぜひ実行してください。
2.『3つの戒め』
「5つの行い」とともに、今、とりわけ大切なのが、「3つの戒め」です。新型コロナウイルスのクラスター(感染した人の小集団)発生をとどめるために、
①換気の悪い「密」閉空間
②多くの人が「密」集する場所
③近距離での「密」接した会話
という3つの条件=3つの「密」が重なる場所や場面を避けるということです。
特に、多くの人々が、互いに手を伸ばすと届く距離で、一定時間以上の会話を交わす場合、咳やくしゃみなどがなくても、感染が拡大するリスクがあることがわかっています。このため、会議などを行う場合は、人と人との距離を2メートルあけるようにしましょう。